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2021.06.04トピックス

禁止物質からアスリートを守る。薬を調べるツールの色々

【投稿者】
ウイン調剤薬局横浜西口店
薬剤師 勝俣 水稀 かつまたみずき
昭和薬科大学卒
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こんにちは。ウイン調剤薬局 横浜西口店勤務の勝俣です。
私は、2020年度の公認スポーツファーマシスト認定制度に合格し、資格を取得しました。

スポーツファーマシストとは、最新のアンチ・ドーピング規則に関する知識を有する薬剤師のことを言います。

薬剤師の間では有名な資格で、東京オリンピックの開催に伴い注目されてはいるものの、一般の方にはまだあまり知られていません。

ご存知の通りドーピングは身体に悪影響をもたらすだけでなく、

クリーンでフェアなスポーツの場を壊してしまいます。

ドラッグストアなどで簡単に手に入るお薬でもドーピング違反になる薬は多く、服用には注意が必要です。
「スポーツファーマシスト」はこのようなうっかりドーピング”の危険性からアスリートを守り、安心・安全に正しく薬を使えるようサポートしています。

誰でも簡単に検索できる「global DRO」


◆global DRO:https://www.globaldro.com/JP/search

競技種別・購入国・医薬品名を入力すると、その物質をどの投与経路から使った時
競技会・競技会外において行われるドーピング検査で禁止物質に該当するのか、わかりやすく表示されます。

禁止物質は成分ごとに定められているので医薬品名は基本的に成分名で検索をしますが、
処方薬の先発名・市販薬の製品名で検索できるものもいくつかあります。
例)ロキソニンS→ロキソプロフェン

競技種別・性別によって禁止される物質には違いがあり、
また同じ成分の医薬品でも、経口(飲み薬)・外用(塗り薬)などの投与経路によって違いがあるものもあります。

禁止される物質・方法が記載されている”禁止表国際基準”は、少なくとも年に1回(毎年1月1日)更新されるため、以前使用経験があっても都度調べが必要です。

世界アンチ・ドーピング規定(CODE)では、”アスリートの役割と責務”の1つとして「身体に摂り入れるものに責任を持つ」と掲げています。

体内に摂取するものすべてはアスリートの責任となるため、アスリートは禁止物質・方法が含まれていないか自身で確認をして摂取する必要があります。
体内に禁止物質が存在した場合、意図的に摂取したかどうかに関わらず、違反となります(厳格責任)。

不必要な薬の服用はもちろん避けるべきですが、薬が全て悪いものというわけではありません。
アスリートだからと薬の服用を避けた結果、さらに体調を悪化させてしまった事例もあるので、必要な時に正しく使うこと大切です。

すべて”自己責任”になるからこそ、医療従事者だけでなくアスリート自身が服用する薬を自分で調べる術を持ち、
相談できる人がいるのを知っておくことは非常に重要です。

服用しようとしている薬が禁止物質に該当する・ドーピングに引っかかるのかどうか、
薬剤師はもちろん、誰でも簡単に検索できる「global DRO」というサイトがあります。

不明点や不安がある場合には、公認スポーツファーマシストの公式HPから全国のスポーツファーマシストを検索し、直接相談することもできます。

◆公認スポーツファーマシストWebサイト
https://www.sp.playtruejapan.org

アスリート自身がしっかりと知識を身につけた上で医療従事者と連携することで、
必要な時に正しく薬を使うことができ、”うっかりドーピング”を防ぐことができます。
これを機に、ぜひ一度知っている薬の名前で検索をしてみてください。

そのほかアンチ・ドーピングに関する詳しい情報は、公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA)のHPからチェックすることができます。


◆公益財団法人 日本アンチ・ドーピング機構(JADA) 公式Webサイト
https://www.playtruejapan.org

アスリートが存分に力を発揮できるよう、クリーンでフェアなスポーツの場を皆で協力してつくっていきましょう。